あのおにぎりの味を、私は覚えていない|ローソン|by ライスボウル紳士 No.0003
思い出せない。
あの時食べたおにぎりの味を。
「国産もち麦入り枝豆と塩昆布おにぎり
そういう名前らしい。
仕事の合間にローソンに走り、
数多のおにぎりの中から私はこれを選んだ。
選んだ理由は、なんとなく体に良さそうだったからだ。
梅干しや昆布が入っている定番のおにぎりは、栄養価が低そうだ。
ツナマヨや唐揚げのようなおにぎりは、スタミナは付きそうだが油分が体に悪そうだ。
となると、選択は自然とこのような、
もち麦や枝豆といった健康的かつクールな具が入ったものになるのが私の常だ。
仕事で濁った私の脳みそを少しでも正常に戻したい。
仕事をしながら片手で食べるようなものには少しでも平和的なものであってほしい。
そう無意識で考えているのだろう。
コピー用紙の上におにぎりを置き、写真は撮った。
だから見た目は思い出せる。だが、味が思い出せない。
忙しい時に食べたメシなんて覚えていないのは当然か。
だが、それはなんとも悲しい出来事ではないか。
私たちが働くのは何のためかというか、
第一の目的はやはり食べていくためだろう。
社会貢献などももちろんあるが、それは食っていくための銭を
稼いだあとに考えることだろう。
だから、私はショックなのだ。
あのおにぎりに限らない。
味を思い出せない食事なんて何度も何度もあった。
でも、それでいいのだろうか。
いや、人間としてとても悲しいことだ。
そして何よりショックなのは、おにぎりボーイから頂いたブログのスペースに、
味を覚えていない言い訳のような醜い文章をこうもダラダラと
書かないといけないことだ。
今回はナイスライスなどと軽口はたたけない。
だが、仕事が終わるまでのパワーを私に与えてくれた、あのおにぎりには感謝しかない。
だからこう言わせてもらろう。
センキューライスと。
ライスボール紳士